6年前の義父の時は、まだ元気だった母が私の家へ着てタンスから冬の喪服一式を出して仕付け糸を切り取り、帯、草履、小物など必要な物を揃えてくれました。葬儀の準備に追われていたのでどれだけ助かったかわかりません。3年前の義母の時は真夏でしたので夏の喪服を着ました。着物も長襦袢も生地が夏用なので、暑い中でもそれなりに涼しくて助かりました。葬儀の後、2日ほど着物を陰干しして、たたもうとした時のことです。襟のところを手で整えていたら、あれっ、痛い。なんと細い針が一本出てきたではありませんか。30年前の仕立ての時の針が入ったままだったのです。布が何枚も重なる襟の部分だったので美容室で着付けてもらう時も、着ている間も気が付きませんでした。いずれにしても、けががなくて何よりでした。

そして今年の冬に母が亡くなり、私は母との約束通り着物の喪服を着ました。寒中で雪が積もっているときでしたから、洋服の喪服でも会葬のお客様に失礼にはならないのですが、母との約束があったので迷うことなく着物を着ました。きっと母は喜んでくれたと思います。母との約束が果たせてちょっとホッとしました。

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